生活福祉資金貸付制度を利用して国から10万円以上借りる方法と借りれる条件

生活福祉資金貸付制度なんて言葉を普段耳にしないですから、知らないことも多いでしょう。

2020年の始めに、新型コロナウイルスの蔓延によって注目されたことで認知度も上がった制度の1つです。

一言で言えば「国が運営する低金利貸付制度」のことです。

実は困った時にかなり使える制度でして、目的に合わせて結構な金額を貸してくれることが多いのです。

簡単に借りれるの?
誰でも借りれるの?
手続きはどこからしたらいいの?
会社や家族に連絡きたりしないの?

未知の制度で不安に思う方は多いでしょう。

そんな不安や心配を解消できる内容をお伝えしていきます。

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生活福祉資金貸付制度の概要

厚生労働省が運営する制度の1つであり、民間企業ではなく国が貸付を行う制度です。

すごく簡単にいうと

「お金に困っている世帯に対して低金利で貸付を行います」

という制度であり、個人というより家族のために世帯主に貸しますよというスタンスが強い制度です。

生活福祉資金貸付制の対象者

低所得者世帯 必要な資金を他から借入することが困難な世帯
高齢者世帯 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯
障害者世帯 65歳以上の高齢者の属する世帯

失業・減収により生活が困難な人に、立て直しを図るために融資するのが目的です。

ショッピングのリボ払いが厳しい

ギャンブルで負けてお金がない

欲しいものがあるからお金を先に借りておきたい

このような個人的な理由での貸付は基本的に行っていません。

個人的な事情によってお金を借りたい場合は「緊急小口資金」という個人に貸付する制度があるのでそちらならチャンスがあります。

緊急小口資金についてはこの後お話します。

生活福祉資金貸付制度にはどんな種類がある?

世帯主に貸付がメインとなる制度なので、貸付項目も家庭内事情に関するものが多くあります。

大きく分けると4種類の貸付があります。

総合支援資金 生活費が足りない人向け
福祉資金 医療・介護のための資金が必要な人向け
教育支援資金 子供の教育費が足りない人向け
不動産担保型生活資金 不動産を持っている人向け

利用者が多いのは総合支援資金と福祉資金です。

日常生活に直結した貸付のため利用者が多いのでしょう。

一例ですが下記のような種類があります。

種別 内容 貸付限度額
生活支援費 生活再建までに必要な費用 15万円以内
住宅入居費 敷金・礼金等住宅の賃貸契約を結ぶまでに必要な費用 40万円以内
一時生活再建費 生活再建のために必要かつ、日常生活日で賄うことが困難な費用 60万円以内
福祉費 福祉に関わる一時的に必要な費用 580万円以内
緊急小口資金 緊急かつ一時的に生活が困難な人に貸し付ける少額の費用 10万円以内
教育支援費 低所得帯に属する人が高校・大学に修学するための費用 月3.5万円〜
就学支度費 低所得帯に属する人が高校・大学に入学するための費用 50万円以内
不動産担保型生活資金 低所得帯の高齢者に対し居住用不動産を担保として貸し付ける資金 土地の評価額の70%程度
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 要保護の高齢者に対し居住用不動産を担保として貸し付ける資金 土地または建物の評価額の70%程度
緊急小口資金(特例貸付) 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用 10万円以内

緊急小口資金には特例貸付も存在します。

こちらは新型コロナウイルスの影響で失業・減収に陥った方に特別に20万円までの貸付を行うものです。

金額も本来の倍ですし、利用用途はなんであっても借りることができます。

消費者金融での借入が難しい方は、緊急小口資金に申し込む他ありません。

他にも「教育関連・不動産担保関連」の貸付もありますので、詳しくは厚生労働省ホームページを参考にしてみてください。

 

緊急小口資金が人気(個人用)

生活福祉資金貸付制度のうち、唯一個人に貸付をする緊急小口資金が人気です。

コロナで収入が減った・消費者金融で借りれなかった

そんな方々が借入できるとあって、生活再建のために多くの方が利用しています。

特に利用目的を明確にする必要もなく、一般的な借入とほとんど変わらないようです。

緊急小口資金の申し込みに必要な書類
□借入申込書(自治体窓口orホームページ上で取得)
□借用書(自治体窓口orホームページ上で取得)
□住民票
□本人確認書類(免許証・保険証・マイナンバーなど)
□通帳orキャッシュカードのコピー
□自治体の理事長の承認書類(必要に応じて)
※特例貸付で20万円を希望の方はコロナ前後の収入の変動がわかる書類

国からの貸付とは言えども、借りるにはいくつかの条件や注意事項があります。

対象者 ・お住まいの自治体に住民票登録があること
・生活保護を受けていないこと
・20歳以上であること
融資までの時間 約2ヶ月
返済期間 2年以内(24回以内)
連帯保証人 不要
利子 無利子
貸付上限 10万円(特例の場合20万円)
申込先 各自治体のホームページor窓口

生活福祉資金貸付制度の金利はどのくらい?

金利は基本的に無利子です。

一般的な消費者金融だと15〜18%の年利が発生する中、生活福祉資金貸付制度は無利子で借りることができます。

ただし「連帯保証人あり」の場合です。

連帯保証人なしの場合は年利が1.5%に設定されます。

さらに完済までの期限も10年、20年以内と長く設定されているためゆっくり返済をしても金利で大損することもないので安心です。

ちなみに年利1.5%とは

「1年間に借りた金額の1.5%の利息分を上乗せして支払う」

ということです。

もし10万円借りて年利1.5%だったら、年間で利息が1500円発生するということです。

年利18%だと18000円なので、いかに良心的かわかりますね。

生活福祉資金貸付制度に申し込む時はどうしたらいい?

もし申込や相談を検討したい人がいたら、どうやって相談すればいいかですが

「直接役所の窓口で相談する」「電話で担当部署に相談する」

この2つの方法があります。

全国各地の専用窓口一覧をまとめたサイトがありますので、お住まいの自治体のページにアクセスしてみてください。

 

申込先はわかりましたね。

では申し込み後の流れがどうなるか、簡単に説明します。

生活福祉資金貸付制度の流れ
①自治体への申し込みを行う
→必要書類の提出(本人確認書類・給与明細など)
②審査
→2週間以上の時間がかかることが想定されます
自宅宛の郵送物は受け取れる状態にしておきましょう
③借用書の提出
→役所に出向き、借用書を提出します
④融資実行
→指定の銀行口座に振り込まれます

直接窓口に行って相談する場合

各自治体によって部署名が違ってくることが多いので一言では難しいですが

「福祉資金」「生活支援」という名前がついた部署に相談すれば割と間違いありません。

そこで、生活福祉資金貸付制度を利用したいと相談すれば担当者が相談に乗ってくれるはずです。

役所は土日休みで営業時間も決まっているため、窓口の空いている時間を調べてから訪問しましょう。

電話で担当部署に相談する場合

なかなか訪問が難しいとか、周りの目が気になって恥ずかしいという人は電話で相談してみましょう。

各自治体のホームページにアクセスすれば、担当部署直通の番号が記載されています。

そこで、生活福祉資金貸付制度を利用したいと相談すれば担当者に変わってくれるでしょう。

ネットからの申し込みがないので、まずはヒアリングを受けて書類を準備してもらう流れが主流となりそうです。

生活福祉資金貸付制度の貸付までの時間はどのくらい?

消費者金融のように、即日融資や翌日融資というわけにはいきません。

どんなに早くても1週間〜4週間はかかるのが生活福祉資金貸付制度です。

緊急小口資金・・1週間程度(混み合っている場合は2週間ほど)

総合支援資金・・2週間以上(混み合っている場合は1ヶ月かかることもあり)

緊急小口資金は割と早いのですが、その他の貸付にはそこそこ時間がかかるので早めの行動が必要です。

審査に時間がかかるのもそうですし、必要書類の多さが時間のかかる要因でしょう。

借入を検討しているなら、検討段階で既に用意できる必要書類は準備しておくとスムーズです。

生活福祉資金貸付制度の審査基準は?

債務整理や自己破産による金融ブラックは、審査否決の原因にはなりにくく

重要なのは「年間所得がどのくらいか」という部分です。

生活困難世帯に貸付を行う制度なので、世帯年収がいくらか?で借りれるかが決まります。

ただしそれ以前の問題を抱える方は解消しておかなければいけません。

生活福祉資金貸付制度を利用できない人
□生活保護・失業保険などの公的支援を受けている人
□現時点で住所が存在しない人
□借金返済目的の人

上記に当てはまらない人は申込が可能です。

肝心の審査基準となる年収ですが、これは自治体によって定める金額が違うので一律いくらというものではありません。

難しい言葉で言えば

「市町村民税が非課税になるだけの低所得世帯であること」

つまり、各都道府県に支払う税金が免除されている人なら審査基準は満たしているので貸付の対象になります。

あくまで世帯所得なので、自分が年収200万円と低くても夫婦で400万円あれば世帯所得は400万円です。

目安地としてですが「世帯年間所得350〜400万円」ほどであれば可能性があるかもしれません。

生活福祉資金貸付制度は外国人でも借りれる?

日本に在住する外国人の方も生活福祉資金貸付制度の利用は可能です。

日本人と同じように審査され、条件を満たせば借入ができるので生活に困ったら相談してみましょう。

永住者ではない場合は在留期間も審査の項目に入るようですのでお気をつけください。

ただし、ホテル生活だったり居候のような形で決まった住所を持っていない人は利用が難しくなります。

外国人の方でも住所を持っていることが何より借入の条件になってきます。

生活福祉資金貸付制度の返済の仕組みは?

生活福祉資金貸付制度は基本的に口座引き落としで返済する形になります。

消費者金融は振り込みがほとんどですが、口座引き落としで返済できるので支払い忘れもなく楽です。

返済回数・返済金額については、社会福祉協議会の職員が相談して決めるので、自分で決めるものではありません。

決められた金額を毎月引き落とされるのみです。

返済が難しい方のために措置期間が設けられているのが生活福祉資金貸付制度の良いところです。

借入した日から返済がスタートするのではなく、「数ヶ月後から返済スタート」という返済を待っててくれる制度です。

その間にお金を作れれば返済も苦労しなくて済みますし、生活苦を乗り切れる希望が見えてきますね。

措置期間は利用する資金制度によって変わってきます。

資金制度 措置期間 返済期間
総合支援資金(生活支援費) 最終貸付日から6ヶ月以内 措置期間経過後10年以内
総合支援資金(住居入居日) 貸付日 措置期間経過後10年以内
緊急小口資金 貸付日から2ヶ月以内 措置期間経過後1年以内
福祉資金 貸付日から6ヶ月以内 措置期間経過後20年以内
教育支援資金 卒業後6ヶ月以内 措置期間経過後20年以内

措置期間内に返済をスタートさせればOKということです。

そして、返済期限までに完済できれば良いので収入をアップさせるには十分な時間が用意されています。

返済が遅れてしまうと・・
もし返済が遅延するようなことがあると、借入残高に対して1.5%の利息が発生します。
利息ほど勿体無い出費はありません。
遅れが生じないように毎月預金残高に返済分は準備しておくようにしましょう。

生活福祉資金貸付制度のよくあるQ&A

金融ブラックでも利用できる?

金融ブラックは利用できないという規定はないようです。

しかし、債務整理や自己破産が原因で審査落ちする人も中にはいるようです。

信用情報はそこまで問題ではないと思いますが、どちらかというと返済能力を見られます。

今いくらの収入があって返済見込みがあるのか?という点です。

この辺をクリアできれば利用できる可能性は十分にあるでしょう。

無職でも利用できる?

無職の人は利用できません。

あくまで借入なので、返済能力のない人には貸付していません。

もし職に就いていないのならハローワークに相談してみましょう。

それか何かしらの職に就いてから改めて申請してみるほうが確実だと思います。

家族に内緒で利用できる?

利用自体は内緒でできますが、審査後に自宅宛に郵便物が到着しますので、郵便物でバレる危険はあります。

その辺をうまくやり過ごすことができればバレないかもしれませんね。

自宅に電話が来るようなことは基本的にはないのでご安心ください。

自営業・フリーランスでも利用できる?

利用できます。

就業形態に縛りはないので、どのようなお仕事をされていても利用可能です。

事業用資金として借りることはできる?

できません。

あくまで生活再建のための制度なので、事業の運転資金として申請することは不可能です。

事業資金を借りたい場合は日本政策金融公庫に申し込んで融資を受ける方が現実的です。

少ない金利で事業資金となる高額融資を受けられる可能性が高いからです。

収入の減少を証明する方法は?

「収入の減少状況に関する申立書」を記載することで証明できます。

こちらは社会福祉協議会に問い合わせれば案内してもらえます。

特に収入証明書類を提出する必要はありません。

生活福祉資金貸付制度のまとめ

なかなか複雑でわかりにくい制度なため、利用はリサーチしてからが望ましいでしょう。

最後に簡単にまとめると

生活福祉資金貸付制度は個人の利用というより、困窮世帯に対して国が無利子で貸付してくれる救済制度。

消費者金融で借りるよりまとまったお金を借りれるのと、返済期間も長いので効率がいい。

実際に借りるとなったら、各自治体の担当部署に電話をするか直接役所に行くか。

個人で借りるなら緊急小口資金の利用が可能。

借りれる金額は10万円、コロナによる特別措置を受けられれば最大20万円まで借りれる。

こういった感じです。

即日融資といったスピード感はないですが、安全に借りれる制度なのでお困りの方は問い合わせてみてください。

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